住まいの高断熱化と大空間の両立において、ハウスメーカー各社は異なるアプローチで独自の強みを発揮している。
超高断熱エンベロープと全館床暖房・さらぽか空調を標準装備する一条工務店は、真冬でも家屋全体の温度を完全に均一化する技術で吹き抜けの弱点を事実上無力化した。大空間を作っても足元が冷える心配がなく、省エネ性能を極限まで高めた実利派の設計が支持を集める。
一方、積水ハウスは「ファミリー スイート」に代表される大開口・大空間の構造躯体を軸に、ダイナミックな採光と構造美を提案する。強靭な鉄骨やシャーウッド構法によって柱のない広大な縦横の空間を生み出し、上質でラグジュアリーな居住体験を具現化している。
注文住宅を検討する施主にとって、単に間取り図を眺めるだけでなく、各社がどのような構造熱力学に基づいて大空間を成立させているかを比較することが成否の分かれ目となる。