小悪魔的な微笑みの裏に、どれほどの孤独が隠されていたのか。モモの「ハーレム計画」は、表向きは愛する姉ララと想い人である結城リトの双方を幸せにしつつ、自身も「側室」としてリトの隣に収まるための策謀とされていた。だが、物語を丹念に追うと、まったく異なる風景が浮かび上がる。
それは、選ばれないことへの根源的な恐怖だ。正妻の座を姉ララが占める以上、一対一の純愛関係においてモモがリトの一番になる道は閉ざされている。もしリトが誰か一人を選ぶなら、自分は完全に部外者になってしまう。だからこそ彼女は、既存の恋愛規範を解体し、「全員が共存できるシステム」を自らの手で設計せざるを得なかった。策士として振る舞う仮面は、傷つきやすい少女の内面を守る最後の防壁だったのだ。