古来、最高級の囲碁盤としてその名を轟かせてきた本榧。日本棋院の対局室に置かれる名盤の数々は、打ち下ろされた碁石の衝撃を吸収し、指先に心地よい余韻を残すことで知られる。その類まれなる材質特性に目をつけた先人たちが、調理の道具へと転用した歴史は古い。
NHKの教養番組『美の壺』や、日本の職人技を伝えてきた『和風総本家』などのメディアでも、榧の木目が織りなす工芸美は幾度となく特集されてきた。緻密な年輪がもたらす均一な硬度と、木自体が蓄える天然の精油成分。これらが融合することで、他の樹種では真似のできない唯一無二の調理面が生み出される。