国内のトイレタリー業界において、ここ数年の劇的な地殻変動は見逃せない。重厚なパルファムを首筋に吹きかけるクラシックなスタイルから距離を置き、日常の洗濯を通じてパーソナルスペースを香らせる「プレミアムファブリックケア」へのシフトが決定的なものとなった。
リモートワークの定着とハイブリッドな働き方の普及により、他者への過度なアピールではなく「自分が一日中快適でいられること」に重きを置く価値観が定着した。朝、袖を通した瞬間のフレッシュな高揚感。夕方、疲れてジャケットを脱いだときに微かに香る包容力。生活空間そのものを心地よいアロマで満たしたいという欲求が、柔軟剤市場の高付加価値化を一気に押し進めた要因である。