技術的に可能であることと、倫理的に許容されることの間には深い溝が存在します。ここで問われるべきは、真摯な医療ジャーナリズムの視点です。不妊に苦しむ親が子を望む切実な情動は尊重されるべきですが、生まれてくる子どもの権利と福祉はどのように守られるべきなのでしょうか。
70代で親になれば、子どもが成人を迎える頃に親は90代、あるいはすでに他界している可能性が極めて高いのが自然の摂理です。親の愛情を受け、庇護されるべき成長期に、ヤングケアラーとしての役割を強いられたり、早期の死別による孤立に直面したりするリスクは無視できません。さらに、卵子提供によって生を受けた子どもが自己の遺伝的ルーツを知る権利(出自を知る権利)の法制化など、日本を含む多くの国で制度設計は依然として医療技術の暴走に追いついていないのが実情です。