海難審判の場において、担当した海難審判官は船長個人の操船判断のみに責任を帰す従来の審理方針に疑問を呈し、運航管理体制そのものの欠陥を鋭く追及した。安全運航基準が形骸化し、過酷なスケジュール管理を黙認していた組織的背景こそが事故の引き金になったという指摘だ。
この審判結果を受け、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)も苦渋の対応を迫られた。現場の漁業者たちの生計を守りつつ、いかにして抜本的な安全基準を徹底させるか。組合内部でも、経済的合理性を優先するあまり人命を危険に晒す操業体質からの脱却を訴える声が一気に高まった。