アクセスの良さも館山が選ばれる決定的な理由だ。東日本旅客鉄道(JR東日本)が運行する特急「さざなみ」や「新宿さざなみ」に加え、愛車をそのまま載せて旅ができるサイクルトレイン「B.B.BASE」の運行など、移動そのものを楽しむ仕掛けが充実している。東京湾アクアラインを利用すれば都心から高速バスで一直線という気軽さも相まって、心理的な距離感は驚くほど近い。
かつては「遠い南の果て」だった南房総は、今や「最も身近な非日常空間」へと再定義された。平日はフルリモートで働き、金曜の夜に館山へ移動、月曜の朝に東京のオフィスへ直接出社する——そんな軽やかな二拠点生活を実践する人々が急増している。日常と非日常の境界線が心地よく溶け合っていく感覚こそ、現代人が求めていた豊かな時間の使い方に違いない。