日本の写真史において、人物を対象としたポートレート撮影のあり方は大きな転換期を迎えている。かつては正面を向き、無表情に近い緊張した面持ちで収まるのが「正しい記念写真」とされていた。しかし、その固定観念を打ち破るきっかけとなったのが、写真家・浅田政志氏の存在だ。家族全員でユニークなシチュエーションを演じる彼の作品群や、その半生を描いた映画『浅田家!』のヒットは、写真とは「その人らしさや関係性を表現するもの」という意識を世間に広く根付かせた。
こうした文化的な変化は、学校の卒業アルバムの現場にも確実に波及している。最近では、従来の画一的なスタイルから脱却し、リラックスした笑顔やその人らしい一瞬を捉えようとする撮影現場が増加中だ。学校という限られた空間でありながらも、被写体の個性を自然に引き出す試みが支持を集めている。