上棟の当日は、普段現場を担当している棟梁(主任大工)だけでなく、一日限定で他の現場から応援に駆けつける「応援大工」や鳶職人、クレーンオペレーターなど、通常期の3倍から5倍にあたる5名〜10名前後の職人が集結します。そのため、お礼(ご祝儀・心付け)を用意する際は、役割に応じた金額の傾斜をつけるのが伝統的なマナーです。
現場を最初から最後まで統括する棟梁と、当日のみサポートに入る応援大工との間には明確な責任の差が存在します。そのため、棟梁と大工のお礼金額の差は2倍から3倍程度に設定するのが一般的です。現場監督や設計担当者へも渡す場合は、現場管理への謝意として棟梁に準ずるかやや控えめの金額を包みます。
ここで最も注意すべき実務上のトラップが、当日の職人の頭数です。天候や木材プレカットの搬入状況により、当日急遽職人が増減することが珍しくありません。上棟式大工の人数確認と準備においては、実施の1週間前および前日に現場監督へ「当日は合計何名現場に入られますか?」と念押しし、万が一の飛び込み応援に備えて、予備のご祝儀袋と手土産を1〜2セット多めに用意しておくのが鉄則です。