Q1:『こころ』の先生の遺書(下巻)を読むにはどれくらいの時間がかかりますか?
A1:一般的な読書スピード(分速500〜600字)であれば、「下 先生と遺書」のパート(約10万字)はおよそ3時間から3時間半程度で通読可能です。上巻・中巻を含めた全編でも5〜6時間程度で読了できるため、週末の学び直しや課題図書としても無理のないボリュームです。
Q2:先生の妻である「お嬢さん(静)」は、夫の死の真相やKの自殺の理由を最後まで知らなかったのですか?
A2:はい、生涯知ることはありませんでした。先生は遺書の中で「私」に対し、自分が死んだ後も妻には過去の真相を絶対に秘密にしてほしいと強く懇願しています。妻の無垢な魂を傷つけたくないという配慮であると同時に、自らの罪を最も愛する人に告白できない先生の臆病さと孤独の深さを物語っています。
Q3:なぜ夏目漱石はタイトルを平仮名で『こころ』としたのでしょうか?
A3:漢字の「心」にしてしまうと固定的なイメージを与えてしまうのに対し、平仮名の『こころ』にすることで、人間の心の揺らぎ、移ろいやすさ、割り切れないエゴイズムと良心のせめぎ合いを表現したとされています。新聞連載時の副題に「先生の遺書」とあったように、人間の不可解な精神の深淵そのものをテーマに据えた漱石の意図が込められています。