物語の舞台は、照りつける陽射しと蝉時雨に包まれた日本の典型的な地方都市。終業式の日に配りものを届けるためS君の家を訪れた主人公・ミチオは、首を吊って息絶えている同級生の姿を発見します。恐怖に震えながら学校へ戻り、担任の岩村先生へ報告したものの、警察と先生がS君の部屋へ駆けつけたときには遺体が忽然と消滅していました。
それから1週間後、ミチオの自宅に現れたのは「自分はS君だ」と主張する言葉を喋る蜘蛛でした。蜘蛛となったS君は「僕は先生に殺された。僕の死体を探してほしい」とミチオに懇願します。ミチオは足の不自由な妹・ミカとともに、S君の死体隠滅に関わったとされる担任・岩村先生の身辺調査を開始。やがて近所に住む偏屈な老人・泰造や、奇妙な行動を繰り返す周囲の大人たちを巻き込みながら、事態は異常な連続ペット惨殺事件、さらには人間の尊厳を根底から揺るがす恐るべき狂気の領域へと雪崩れ込んでいきます。