ただ濃い液を作れば良いわけではない。消毒効果を担保しつつ安全性を両立させる鍵は、対象物の汚染レベルに応じた有効塩素濃度の厳密なコントロールにある。
日常的なドアノブや手すり、テーブルなどの高頻度接触面には「0.02%(200ppm)」の希釈液が適正水準だ。市販の濃度約5%から6%の塩素系漂白剤を用いる場合、500mlのペットボトルに水を満たし、キャップ半分弱(約2ml)を混ぜることで作製できる。一方、嘔吐物や排泄物が付着した緊急性の高い床面やリネン類には「0.1%(1000ppm)」、すなわち水500mlに対してキャップ2杯分(約10ml)の濃度が必要となる。
作り置きは厳禁だ。塩素成分は紫外線や室温、有機物との接触によって急速に失活する。その日に使う分だけを調製し、余った液は廃棄するのが鉄則である。