主人公・虎杖悠仁役に榎木淳弥が抜擢された背景には、原作者である芥見下々たっての強い意向があった。従来の王道ジャンプ主人公像とは一線を画す「等身大のナチュラルさ」と、死に直面した極限状態で見せる迫真の叫び。オーディション時、榎木が放った飾らない声の質感こそが、死生観をテーマとする本作の泥臭い現実感を引き出せると判断されたのだ。
一方で、最強の呪術師・五条悟を演じる中村悠一の配役についても興味深いエピソードが存在する。絶対的な強者が持つ圧倒的な余裕と、どこか捉えどころのない軽薄さ。この相反する二面性を不自然さなく表現できる役者として、真っ先に名前が挙がったのが中村だった。スタジオでのファーストテイクから現場の空気を一変させた演技力は、アニメ表現のクオリティを一気に引き上げた。