物語の序盤、エドワードとアルフォンスの兄弟は、生体錬成の権威である国家錬金術師ショウ・タッカーの屋敷を訪れます。人語を理解する合成獣(キメラ)の錬成に成功した実績を持つタッカーは、物腰柔らかな学者であり、幼い一人娘のニーナ・タッカーと巨大な白い愛犬アレキサンダーと暮らす穏やかな父親に見えました。
しかし、その裏側では年に一度の「査定」が迫っていました。実績を出せなければ国家錬金術師の資格を剥奪され、研究費や特権的な生活を失うという極限のプレッシャーに晒されていたタッカーは、研究の成果を焦るあまり禁忌へと手を染めます。
査定の前日、エドワードが屋敷を再訪すると、そこには人の言葉を話す新たなキメラが座していました。そのキメラが発した「エド…ワード…おにい…ちゃん」という弱々しい声によって、エドワードは2年前にタッカーが錬成した最初のキメラが「失踪したタッカーの妻」を素材にしていた事実、そして目の前の個体がニーナとアレキサンダーを掛け合わせて錬成された事実を悟ることになります。