行政の現場において、政治家である大臣と、行政の専門家である国家公務員(官僚)の役割分担は明確に線引きされています。
大臣と官僚の決定的な違いは、「政策の決定と責任」を担うのか、「政策の立案と実務執行」を担うのかという点にあります。
事務次官をはじめとする官僚組織は、高度な専門知識と過去の政策の蓄積をもとに、法案の条文設計や緻密な予算案の作成を行います。しかし、複数の選択肢の中から「どの政策を採用するか」を最終決断するのは大臣の役割です。
政策が成功を収めた場合も、予期せぬトラブルや批判を招いた場合も、国民に対して政治責任を負うのは大臣一人です。官僚が作成した原案を鵜呑みにせず、民意や社会情勢を反映させて修正を指示できるかどうかに、大臣個人の手腕が問われます。