経済面において、橋本内閣が残した最大の劇薬が「日本版金融ビッグバン」である。「フリー・フェア・グローバル」を標榜し、長年日本経済を包み込んでいた金融規制を根底から撤廃した。金利の自由化、外国為替業務の自由化、証券手数料の自由化。これにより、東京市場は国際金融都市としての復権を目指すこととなる。
しかし、この金融・財政における歴史的大手術は、時を同じくして発生したアジア通貨危機や国内メガバンクの破綻ラッシュと直面する。消費税率の3%から5%への引き上げや特別減税の打ち切りといった財政再建策が裏目に出、日本経済は深刻なデフレのスパイラルへと突入した。規制緩和による市場の活性化と、財政緊縮が引き起こした景気低迷。この明暗のコントラストこそが、現代日本経済が抱える構造的問題の出発点となったのである。