スマートフォンの動力源であるリチウムイオン二次電池は、熱に対してきわめて繊細な特性を持つ。過度な高温状態が継続すると、電解液の分解が進んでバッテリー自体の寿命が著しく縮まるだけでなく、セル内部でガスが発生してバッテリー膨張を引き起こす。
さらに深刻なのが熱暴走と呼ばれる現象だ。内部温度が一定の臨界点を超えると、制御回路が正常に機能しなくなり、化学反応が自己加速的に激化する。この状態を放置すれば、基板上のフラッシュメモリが壊滅的なダメージを受け、大切な写真や連絡先といった全データが一瞬で失われる危険性と隣り合わせになる。