では、具体的にどのような形質が「隔世遺伝」として認識されやすいのだろうか。代表的なのは、一塩基の組み合わせで決まる単一遺伝形質だ。つむじの巻き方、酒の強さ(アルコール分解酵素の活性度)、特定の食物アレルギー反応などが挙げられる。
一方で、身長や顔の骨格、知能、運動能力といった複雑な特徴は、数千もの遺伝子領域が複雑に絡み合う「多因子遺伝(ポリジェニック)」によって決まる。親世代ではランダムなシャッフルによって組み合わさらなかった遺伝子の「ジグソーパズル」が、孫の代でたまたま祖父母と酷似した配置で完成することがある。これが、「顔のパーツは親に似ていないのに、全体的な雰囲気が祖父にそっくり」という現象の正体だ。