卵の取り扱いで最も警戒すべき存在が、激しい腹痛や下痢、発熱を引き起こすサルモネラ菌による食中毒です。サルモネラ・エンテリティディス(SE)と呼ばれる菌は、ごく稀に産卵前の鶏の卵巣などを通じて卵の内部に取り込まれることがあります。
生卵の新鮮なうちは、白身に含まれる「リゾチーム」という酵素の抗菌作用によって菌の増殖が抑えられています。しかし、時間の経過とともに白身の構造がゆるみ、黄身を包む卵黄膜が破れやすくなると、菌が黄身の栄養を吸って一気に増殖を開始します。
賞味期限が切れた卵を食べる際、生卵や半熟(とろとろのオムレツや半熟目玉焼き)での調理は極めて危険です。サルモネラ菌を完全に死滅させるためには、中心温度を70℃で1分以上、または75℃以上で瞬時に熱する徹底した加熱が不可欠です。黄身も白身も完全に固まるまで火を通すことが、食中毒を防ぐ絶対条件となります。