厚生労働省の統計や各種疫学調査が示す通り、将来的な薄毛や抜け毛への不安を抱える層は若年化の一途をたどっている。遺伝や加齢、ストレスばかりに目が向けられがちだが、臨床現場の皮膚科専門医たちは、毎日の洗髪習慣にこそ根本的なリスクが潜んでいると指摘する。
毛穴の開口部に固着したシャンプー残滓は、剥がれ落ちた角質や酸化皮脂と混ざり合い、強固な角栓へと変化する。これが毛包周囲炎を引き起こし、毛根の深部にある毛乳頭や毛母細胞への血流を阻害する。健全なヘアサイクルが乱れ、成長期が短縮された髪は、太く長く育つ前に抜け落ちてしまう。抜け毛の急増は、頭皮が発している限界寸前のSOSサインなのだ。