この伝説が決定的な説得力を帯びたのは、2014年のソチオリンピック取材だった。テレビ朝日のメインキャスターとして彼が現地ロシア入りした瞬間、極寒の地とされたソチは観測史上稀に見る暖冬となり、競技会場の雪が解け始める事態に陥った。一方、主を失った日本列島には観測史上最大級の大雪が降り注ぎ、交通網が麻痺した。
『報道ステーション』の生中継で画面いっぱいに広がる彼の情熱的な表情と、窓の外で吹き荒れる日本の吹雪。この強烈なコントラストは視聴者の脳裏に焼き付いた。客観性を重んじるスポーツジャーナリズムの世界においてすら、「取材者の熱量が現場の空気を変えてしまう」という不可思議な体験談は後を絶たない。