境内の入り口近くでひときわ目を引くのが、平成17年に建立された高さ20メートル、重さ8.5トンに及ぶ「日本一の黄金大黒天像」です。妙義山の険しい山並みを背景に、まばゆい金色に輝くその巨躯は、遠くからでも一目でわかるほどのインパクトを誇ります。
通常、七福神の大黒様といえば、右手に「打ち出の小槌」を持ち、左肩に大きな福袋を背負った穏やかな笑顔を思い浮かべる方が多いはずです。ところが、中之嶽神社に鎮座する大黒様は、小槌の代わりに宝剣を高く掲げています。この「剣持ち大黒天」は全国的にも極めて珍しいお姿です。
剣を握る大黒天の起源は、中之嶽神社の主祭神である日本武尊(やまとたけるのみこと)と、隣接する大国神社の大国主命(おおくにぬしのみこと)の神仏習合にあります。剣は大国主命の別名である「大物主神(おおものぬしのかみ)」の強い神力を象徴し、「病魔や悪霊を祓い清め、悪運を断ち切って幸運を切り開く」という意味が込められています。その凛々しい立ち姿は、ただ福を待つだけでなく、自らの力で運命を切り開く強い決意を参拝者に促します。