現在のケニアおよびタンザニアの大平原に暮らすマサイ族の集落を訪れると、テクノロジーと伝統の融合に目を見張ります。アカシアのトゲで周囲を囲み、土や牛糞を塗って造られた伝統的な住居「ボマ(Boma)」の屋根には、小型のソーラーパネルが設置されています。
彼らはスマートフォンを駆使し、ケニア発祥のモバイル電子マネー「M-Pesa(エムペサ)」で牛や山羊の売買代金を即座に送金・決済します。広大な放牧地で迷子になった家畜の捜索連絡や、現地の天気予報、家畜市場の価格相場のチェックに至るまで、スマホは生活必需品です。
近年ではマサイ族自身がTikTokやInstagramなどのSNSアカウントを開設し、サバンナのリアルな日常を発信して世界的なインフルエンサーとして活躍する事例も増えています。伝統的な放牧生活を守りながらも、利便性の高いデジタルツールを柔軟に取り入れる姿勢が定着しています。