「自宅にいるときだけ咳が止まらなくなり、職場や旅先では嘘のように症状が消える」――このような訴えを抱えてクリニックを訪れる患者が後を絶たない。鳥の排泄物や羽毛、皮膚から剥落する微細なフケ(脂粉)は目に見えないほど細かく、室内の空気を漂い続ける。これらを微量ずつ吸い込み続けることで体内の免疫システムが感作され、ある日突然、激しい生体防御反応として表面化する。
初期症状は極めて紛らわしい。微熱、乾いた咳、軽い息切れなど、一見すると軽度の気管支炎やマイコプラズマ肺炎と区別がつかない。医療従事者向け情報サイトm3.comに寄せられた症例報告でも、一般的な気管支喘息と誤診されて数年間にわたり根本原因に辿り着けなかった深刻な実例が幾度となく共有されている。愛鳥家だけでなく、ダウンジャケットの愛用者やダウン枕・羽毛布団を使用している一般生活者にとっても、決して他人事ではない環境リスクだ。