連載当時の少年ジャンプ作品において、主要バトルキャラクターに女性声優を充てる試みは画期的な挑戦でした。蔵馬役に女性声優が求められた背景には、原作が持つ繊細なキャラクターデザインが深く関係しています。
蔵馬は長髪で端正な容姿を持ち、学校では成績優秀で心優しい優等生「南野秀一」として生活しています。大人の男性声優が演じるとどうしても骨太になりすぎ、かといって少年の声を意識しすぎると妖気の凄みや知性が損なわれてしまうという難題を抱えていました。
女性でありながら深みのある中低音を出せる緒方恵美さんの声質は、まさに「美しさと内に秘めた猛毒」を両立させる理想のピースでした。このキャスティングは大成功を収め、アニメ放送開始直後から爆発的な蔵馬ブームを巻き起こす原動力となったのです。