この手紙の意図は極めて明快だ。ユゴーが送った「?」は、「新作の売れ行きはどうなっているか」という問い。そして出版社からの「!」は、「空前絶後の大ヒット、大絶賛だ」という回答を意味していた。
当時、政治的亡命を余儀なくされていたユゴーにとって、『レ・ミゼラブル』は自身の思想とキャリアのすべてを賭けた作品だった。失敗は許されない。遠く離れた島で結果を待つ文豪の張り詰めた緊張感と、それを受け止めた版元の阿吽の呼吸。二人のあいだに言葉による装飾は不要だった。無言の信頼関係と強烈な自負が、このミニマリズムの極致とも言える書簡を生み出したのだ。