誤支給を巡る法的な最大の論点は、「誤って振り込まれたお金をそのまま使ったり、返還を拒否したりした場合、法的にどのような責任を問われるのか」という点です。
民法上、誤支給による金銭の受取は「不当利得」に該当します(民法703条・704条)。法律上の正当な理由なく得た利益であるため、受給者には返還義務が発生します。仮に「誤支給だと知っていながら使い込んだ(悪意の受益者)」と判断された場合、受け取った金額に加えて利息を付して返還しなければなりません。
さらに刑事上の論点として、誤振込であることを知りながら銀行窓口やATMから金銭を引き出した場合、詐欺罪や占有離脱物横領罪に問われるリスクがあります。過去の全国的な類似判例においても、返還拒絶を貫いて全額を費消した被告に対して有罪判決(懲役刑・執行猶予付き)が下されたケースがあり、司法の判断は極めて厳格です。