劇場公開版ではカットされた「幻の12分間」が存在する。この未公開シーンにこそ、事件のトリガーとなった事件前夜の全真相が隠されていた。なぜ被害者は自らその部屋を選んだのか。そして、凶器に残された微細な痕跡の意味とは何か。編集段階で削られたカットには、密室殺人の矛盾をすべて氷解させる重要な手がかりが散りばめられていた。
制作陣があえて劇場版でこの12分を削った理由は、観客に能動的な考察を楽しんでもらうためだったという。配信版のディレクターズカットにおいて、そのピースがついに嵌まる。事件の凄惨さと背後にある人間ドラマの深みが、完璧なジグソーパズルのように完成を見るのだ。