大友の手腕が世界を決定的に震撼させた金字塔が、金字塔的傑作『AKIRA』だ。本作で展開されたネオ東京の崩壊シーンやバイクの疾走シーンは、従来の二次元表現の枠組みを根底から破壊した。
特筆すべきは、魚眼レンズや超広角レンズを通したかのような画面構成を、定規と肉眼のパース感だけで描き切った「大友パース」である。パースの歪みを正確に計算しつつ、建造物の奥行きや人物の動線にダイナミズムを与えるこの手法は、読者を画面の奥へと引きずり込む力を持つ。
大友以前と以降で漫画の背景描写の歴史が分かれたと言われるほど、本作が提示した広角パースと高密度な都市空間の描写力は、全世界のイラストレーションに革命をもたらした。