中学生の姿で現れる未来の妹・ミライちゃんを演じたのは、日本映画界屈指の実力派である黒木華だ。細田作品においては『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』に続く常連組であり、監督からの信頼は極めて厚い。ミライちゃんというキャラクターは、兄を翻弄する少し生意気な一面と、妹としての愛らしさを併せ持つ複雑な存在だ。
黒木華の演技は、くんちゃんとの距離感を絶妙なニュアンスで表現してみせた。時に厳しく、時に優しく導くその声の抑揚は、ファンタジーと現実の境界を自然に融解させる。赤ん坊としての泣き声やぐずる声とは対照的に、思春期特有のからっとした凛々しさを湛えた彼女の声が、物語に心地よいテンポ感をもたらした。