専門家に数万円の報酬を支払わずに法定相続情報一覧図を自分で申請する流れは、大きく分けて4つのステップで完結します。手順を正しく理解していれば、平日に多少の時間が取れる方なら決して難しい作業ではありません。
1. 法定相続情報一覧図の必要書類一覧
手続きに際して法務局へ提出する必須書類は以下の通りです。原本還付を請求できるため、提出した戸籍謄本一式は証明書発行時にすべて返却されます。
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本(必須)
- 被相続人の住民票の除票、または戸籍の附票(必須)
- 相続人全員の現在の戸籍謄本または抄本(被相続人の死亡日以後に発行されたもの)
- 申出人(手続きを行う相続人代表)の氏名・住所を確認できる公的書類(住民票の写し、マイナンバーカードのコピー、運転免許証の表裏コピーなど)
- 各相続人の住民票の写し(一覧図に住所を記載する場合に必要。住所記載があると不動産登記の際に別途住民票を出す手間が省けるため、実務上は添付を強く推奨)
- 申出書(法務局ホームページからダウンロード可能)
- 作成した法定相続情報一覧図(A4白紙に印字したもの)
2. 戸籍謄本の取得方法と広域交付の利便性
以前は、本籍地が遠隔地にある過去の除籍謄本を取り寄せるために、各地の役所へ定額小為替を同封して郵送請求を繰り返す必要がありました。しかし、戸籍法改正による「戸籍等の広域交付制度」の運用が進んだことで、最寄りの市区町村役場の窓口に行くだけで、全国各地にある被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本を一括して取得可能になりました。これにより、戸籍集めに要する時間と郵送料金が大幅に削減されています。ただし、窓口で発行を待つ時間は長くなる傾向があるため、平日の午前に余裕を持って訪れるのが賢明です。
3. 法定相続情報一覧図の申出書書き方見本と作成ルール
一覧図そのものの作成には厳格なルールがあります。用紙はA4サイズ・白紙のコピー用紙(縦向き使用)を用い、周囲に少なくとも上部約5cm、左右下部約1〜2cmの余白を空けなければなりません。登記官が用紙下部または裏面に認証文と職印を押印するためです。
図の中央上部に「被相続人 〇〇 〇〇 法定相続情報一覧図」と記載し、被相続人の「最後の本籍」「最後の住所」「生年月日」「死亡年月日」を正確に記入します。枝分かれする線で配偶者や子を結び、それぞれの「続柄」「氏名」「生年月日」「住所」を並べます。配偶者の続柄は必ず「妻」または「夫」と書き、子は「長男」「長女」「子」など戸籍通りの表記を意識します。最後に図の末尾へ「作成日」「作成者(申出人)の住所・氏名」を明記します。法務省サイトにエクセル形式のテンプレートが多数用意されているため、ゼロから手書きで作るのではなく、公式テンプレートの配置を崩さずに打ち込むのが審査を一発で通過する秘訣です。