公表直後、SNSや大手掲示板では「領土が2倍になった!」「新しい島を見つけて無人島サバイバルができるのでは」といった興奮混じりの投稿が相次ぎました。しかし、現場の実情はそうしたロマンとは大きくかけ離れています。
日本国内における有人島の数は、本州・北海道・四国・九州・沖縄本島の「本土5島」を除くと、全国でわずか416島前後に過ぎません。全島数14,125島のうち、人間が定住している島は全体の3%未満であり、残る97%以上は完全な無人島です。
島嶼地域の取材を続ける地方紙記者や行政担当者は、現場の切迫した状況を次のように語ります。「島が増えたと喜ぶ声もありますが、過疎化と高齢化によってこれまで人が住んでいた離島が維持できず、無人島化するリスクの方がはるかに深刻です」。定期船の維持困難、医療体制の脆弱さ、インフラ老朽化など、離島社会が抱えるリアルな課題は、島数の増加とは裏腹に深刻度を増しています。
新しくカウントされた約7,000の島々の大半は、崖が切り立ち飲料水も確保できない周囲100〜200メートルほどの荒磯です。キャンプや開拓はおろか、接岸すら不可能な危険水域に位置するものがほとんどであり、ネット上の「無人島ドリーム」と現場の実態には極めて大きな隔たりが存在します。