キーボードの英語配列化を巡っては、SNSや技術コミュニティ、知恵袋などで数多くの体験談が交わされている。特にゲーミングキーボードにおける英語配列の評判は総じて高く、「海外プロゲーマーと同じモデルを使える」「キーフォントが英字のみでデスク周りのノイズが消える」「WASDキー周辺が整然としており左手の親指がスペースキーのどこに置かれても反応する」といったポジティブな意見が目立つ。
一方で、安易な憧れから移行したユーザーが直面するキーボード英語配列のデメリットも深刻だ。コミュニティの検証から見えてくる挫折理由の筆頭は、「日本語と英語の入力切り替え時のギクシャク感」にある。日本語配列であれば左上の「半角/全角」キーを一撃するか、スペース両脇の「変換・無変換」を押せば済むが、英語配列にはその専用キーが存在しない。
認知心理学において「運動記憶の干渉(プロアクティブ・インヒビション)」と呼ばれる現象がある。指先が長年かけて無意識下に刷り込んできたキー位置の記憶は、頭で理解していても咄嗟の瞬間に暴発する。実際の現場では次のような悲鳴が頻発している。
「急いでチャットを返そうとしてEnterを押したつもりが、直上のバックスラッシュ(\)を誤爆して文字が確定しない」
「会社の共用ノートPC(JIS配列)と私物のUSキーボードを日替わりで往復しているうちに、どちらを触ってもタイピングミスが連発して作業効率が半減した」
このように、単独の操作感だけでなく「自身の作業環境が完全にUS配列一本に統一できるか」という周囲のインフラ状況が、満足度を決定づける見落とせない要因となっている。