改刷のたびにネット掲示板やSNSで拡散される悪質なデマに「新紙幣が出たから、樋口一葉や新渡戸稲造の旧札は使えなくなる」「早く銀行で交換しないと紙くずになる」という言説があります。さらに、これに便乗して「旧紙幣を回収して新紙幣に振り替える」と持ちかける高齢者を標的にした特殊詐欺も確認されています。
この噂は完全な誤りです。
日本の法律(日本銀行法第46条第2項)において、「日本銀行が発行した銀行券は、法貨として無制限に通通用する」と定められています。一度発行された紙幣は、法律に基づき特別な廃止措置が取られない限り、半永久的に額面通りの効力を失いません。
現在でも、明治時代に発行された一部の紙幣を含め、歴代の五千円札(聖徳太子・新渡戸稲造・樋口一葉)はすべて現在も買い物や支払いに法的に有効です。
また、不要になった旧札を現行紙幣に交換したい場合、日本銀行の本支店であれば手数料無料で引き換えが可能です。一般の市中銀行(メガバンクや地方銀行)でも窓口で預金口座へ入金したり、一定枚数まで無料で両替を受け付けています(※口座保有の有無や枚数による手数料規定は各金融機関の規定に準じます)。
なお、メルカリやヤフオクなどのフリマ・オークションサービスでは、マネーロンダリング防止の観点から「現行流通紙幣の出品」が規約で厳しく禁止されています。違反するとアカウント停止などのペナルティを受けるため、プレミア紙幣を売買する際は古物商許可を持つ正規のコインディーラーや専門買取業者を利用することが不可欠です。