安子氏の潤沢な資金力は、2009年に由紀夫氏が首相に就任した直後、思わぬ形で大スキャンダルへと発展します。いわゆる「偽装献金・資金提供問題」です。
政治資金収支報告書に故人名義の献金が記載されていた「故人献金問題」の捜査過程で、実際には安子氏から由紀夫氏と邦夫氏の兄弟に対し、毎月約1,500万円ずつ、年額で各1億8,000万円もの資金が長年にわたり振り込まれていた事実が発覚しました。総額は由紀夫氏側だけでも約12億6,000万円に達しており、世間からは当時民主党が掲げていた看板政策をもじって「母親からの巨額子ども手当」と激しい批判を浴びました。
この問題は最終的に、由紀夫氏側が「資金の移動を本人が把握していなかった」と説明しつつ、贈与税の申告漏れを認めて約6億円の贈与税を追納することで決着が図られました。法的な是非は別としても、個人資産から億単位の現金を容易に供給できる安子氏の財力が、改めて世間に衝撃を与えた事件でした。