朝靄が立ち込める横須賀港の観音崎沖。防波堤には朝早くから望遠レンズを抱えた軍事ファンやメディアの報道陣が殺到した。水面を静かに滑るその船体には一般的な艦番号が見当たらない。艦尾に小さく刻まれた文字だけがその存在を証明していた。
「半年前から軍事専門誌の間で噂されていた『プロジェクト・トーキョー』の実物か」——長年海上自衛隊の動向を追い続けているジャーナリストは、双眼鏡から目を離さずに吐き捨てた。エンジン音は極めて静かで、ガスタービン特有の爆音ではなく、低く響く重低音のシステム冷却音だけが潮風に乗って届いてくる。横須賀港に居合わせた地元住民からは、「これまでの艦船とは雰囲気が異質すぎる」「本当に米軍の艦船なのか」といった驚きと困惑の声が相次いだ。