手軽で便利な同じく記号だが、ビジネスの公的文書や行政の書類で使う際には明確な境界線が存在する。文化庁が取りまとめる「公用文作成の要領」をはじめとする日本語表記法の公的ガイドラインにおいて、同じく記号(〃)の公用文での使用は原則として認められていない。
縦書きの私的なメモや帳簿では重宝されるものの、法令用語や公的通知においては「誤認を防ぐ」「レイアウト崩れによる意味の変質を避ける」という厳格な正確性が求められるためだ。一行ずれただけで契約内容や法的解釈が一変してしまうリスクを排除するため、正式な書類では省略せずに同じ語句を再度記述するのが鉄則となっている。
対照的に、同の字点(々)は「民主主義」「様々」のように熟語を形成する正統な表記要素として公用文でも広く認められている。ただし、これも「会社/会社」のように行をまたぐ位置に記号が来てしまう場合は、「会社/会社」と漢字を直接重ねて書くのが表記マナー上の作法だ。