「街の安全と子供たちの命を守るため、警察との連携は不可欠だ」。新宿区の吉住健一区長はこれまでも強い危機感を表明してきた。新宿区は民間シェルターの拡充や相談窓口の夜間開設を進めてきたが、行政が差し出す手と当事者のニーズの間には依然として深い溝が存在する。
青少年保護・福祉行政の観点から見れば、補導はあくまで一時的な保護にすぎない。親からの虐待や家庭不和、学校での居場所の喪失といった根本的な傷を抱える子供たちにとって、家庭への引き渡しは「地獄への強制送還」と同義である場合が少なくない。保護された翌日には再び歌舞伎町へと足を運ぶ悪循環を、既存の法制度や福祉の枠組みだけでは断ち切れていない。