なぜ縁のない地域から突然コールが鳴るのか。その構造的な背景には、通信インフラの大きな転換期がある。長年日本の通信を支えてきたPSTN(公衆交換電話網)からIP網への移行プロセスが進展したことで、地理的な制約は名実ともに取り払われた。
固定電話網のIP網移行計画が完了を迎えた現在、電気通信事業の現場ではクラウドPBXやVoIPサービスの活用が当たり前となった。物理的なオフィスが東京や大阪にあろうと、あるいは完全なリモートワーク体制であろうと、ネットワーク設定ひとつで092番号を用いた発着信システムを立ち上げることが技術的に容易になっている。
福岡市はスタートアップ支援やDX推進に力を注いできた経緯があり、市長の高島宗一郎氏が掲げる都市成長戦略のもと、数多くのベンチャー企業が集積した。それに伴い、カスタマーサポートや営業代行の拠点を福岡に構える企業が爆発的に増加した事実も、遠方への発信が増えた要因のひとつに挙げられる。