2015年に発覚した胆嚢がん。余命宣告に近い過酷な診断を受けながらも、渡瀬は「現場で死ぬ」ことを選んだ。その壮絶な決意を誰よりも近くで受け止め、共に戦ったのが妻だった。
テレビ朝日の看板刑事ドラマ『警視庁捜査一課9係』の撮影現場。抗がん剤治療による激しい副作用や体重減少と闘いながらカメラの前に立つ渡瀬のため、妻は栄養管理を徹底した特別な弁当を持たせ、撮影スケジュールの合間を縫って細やかに体調を管理した。決して弱音を吐かない夫のプライドを傷つけぬよう、明るく振る舞い、過酷な闘病生活を笑顔で支え抜いた日々。夫をカメラの前に送り出す毎朝の玄関は、まさに命がけの戦場への出陣であった。