草川の真骨頂は、身体全体を使って感情を表現する圧倒的な「身こなし」にある。長年にわたりステージ上で鍛錬を重ねてきたダンサーとしての体幹とリズム感は、芝居の場面においても遺憾なく発揮されている。セリフのない静寂のシーンであっても、その背中や佇まいだけでキャラクターの葛藤や焦燥を雄弁に物語ってみせるのだ。
演出家たちが口を揃えて称賛するのは、彼が持つ「間」の取り方の巧みさだ。感情の機微を大袈裟な動作に頼るのではなく、一瞬の視線の揺らぎや呼吸の深さで描き出す。この肉体性と静謐さの融合こそが、観る者の感情を強く揺さぶる根源となっている。