SNSやネット掲示板などでは、「大阪湾には巨大な三大水門(安治川水門・尻無川水門・木津川水門)や防潮堤があるため、津波は入ってこない」という楽観論が散見されます。しかし、この認識には重大な防災上の盲点が存在します。
第一に、地震の揺れそのものによる水門や防潮堤の破損・地盤沈下のリスクです。大阪平野の湾岸部は軟弱地盤が多く、震度6強クラスの激震によって防潮構造物自体が変形したり、水門閉鎖システムが停電や機械故障で正常に作動しなくなったりする可能性が否定できません。
第二に、「液状化と津波の複合被害」です。大阪市が作成した液状化予測図によると、埋立地や旧河川敷を中心に極めて高い液状化危険度が示されています。地震発生直後に噴砂や泥水が噴出し、道路が冠水・損壊することで、避難車両や徒歩避難者の移動速度が著しく低下します。「防潮堤が守ってくれるはず」という思い込みは、避難行動の致命的な遅れを招く最大の要因となります。