献体を希望する場合、生前の元気なうちに本人が登録手続きを進める必要があります。全国どこでも無条件に申し込めるわけではなく、原則として居住地域を管轄する大学医学部・歯学部、または篤志解剖団体への申し込みとなります。
登録手続きの流れは以下の通りです。
1. 最寄りの医科大学・大学病院の献体受付窓口や関連団体に資料を請求する。
2. 申込書(献体登録申込書)に必要事項を記入し、所定の同意書を揃えて提出する。
3. 審査・登録完了後、手元に「献体登録証(会員証)」が交付される。
ここで最も重要となる関門が「家族の同意」です。申込書には、配偶者、子供、親、兄弟姉妹といった法定相続人・近親者の署名と捺印が求められます。法律上、本人の生前の意志が尊重される建前にはなっていますが、実際の運用現場では「死後、肉親の中に1人でも反対者がいれば献体は実行されない」という極めて厳格なルールが存在します。
本人がいくら強い熱意を持っていても、家族が遺体の引き渡しを拒んだり、親族間で揉め事が発生したりした場合は、大学側は遺体の受け入れを辞退します。周囲への相談なしに独断で登録することは避けなければなりません。
なお、大学病院や各地域の献体募集状況には地域格差があります。大都市圏の医科大学などを中心に、すでに十分な登録者数を確保している大学では、新規の会員募集を一時的に休止していたり、年間の定員枠を設けていたりする場合があります。関心がある場合は、居住地の大学の最新受入状況をあらかじめ確認しておくことが賢明です。