檸檬堂の歴史を語る上で欠かせないのが、世界的な清涼飲料水メーカーである日本コカ・コーラが創業以来初めて手がけたアルコール飲料という点です。2018年に九州限定で先行発売され、瞬く間に売切れ店が続出、2019年秋に全国展開を果たしたニュースは飲料業界に激震を走らせました。
その味わいを決定づけているのが、焼酎の伝統的な嗜み方にヒントを得た独自の「前割りレモン製法」です。一般的な缶チューハイは、果汁とスピリッツ、炭酸水を直前にブレンドしてボトリングされます。しかし檸檬堂では、丸ごとすりおろしたレモン果汁をあらかじめスピリッツ(お酒)に一定期間漬け込み、じっくりと馴染ませてから仕上げています。
この工程を経ることで、レモンの果肉が持つジューシーな酸味だけでなく、果皮に含まれる精油成分由来の豊かな香りやビターな苦味までもがお酒の中に溶け出します。アルコール特有のツンとした刺激が角の取れたまろやかな口当たりへと昇華されるのは、この前割り熟成の恩恵にほかなりません。清涼飲料水で培われたコカ・コーラの調合技術と酒造文化の融合が、缶レモンサワーの基準を劇的に引き上げたのです。