ボブスレーの勝敗の8割はスタートで決まると言っても過言ではない。重さ数百キロのソリを、氷上でゼロからトップスピードへと押し出す瞬間、選手たちの身体には凄まじい負荷がかかる。この時に最大の推進力を生み出すのが、人間の身体で最も大きい筋肉である大臀筋だ。
スプリンターが前傾姿勢で氷を蹴り出す際、股関節を爆発的に伸展させるパワーが必要となる。スクワットやハングクリーンで鍛え上げられたその臀部は、まさに「生物学的な高出力エンジン」そのもの。海外の専門家は「彼らのおしりは、単なる筋肉の塊ではなく、精密にチューニングされたピストンのようなものだ」と評する。