彼の映像表現を支える最大のエンジンが、長年手を組んできた制作プロダクション・株式会社白組の存在だ。デジタル技術の進歩は著しいが、同社の調布スタジオで繰り広げられる作業は、驚くほど手作業の温かみと泥臭い工夫に満ちている。水や炎といった再現が困難な自然現象のシミュレーションにおいて、同社が培ってきたノウハウはVFX・視覚効果業界全体を通しても屈指のレベルを誇る。
技術の進化は止まらない。AIツールやリアルタイムレンダリングの導入が進む現場において、白組のクラフトマンシップは「人間の感性をいかに技術に乗せるか」という問いへの解答を示している。監督自らがVFXのディテールに指示を出し、アーティストたちと対等にアイデアを戦わせる空間から、世界を震撼させる映像美が生み出されている。