物語は、知人が購入を検討していた一軒家の中古住宅の間取り図に、奇妙な違和感を覚えたことから始まります。一見すると、明るく開放的なリビングを備えたファミリー向けの木造2階建て住宅。しかし、図面を細かく精査すると、建築基準や居住性を完全に無視した不可解なポイントが次々と見つかります。
最大の異様さは、一階のリビングと台所の間に存在する「完全に密閉された謎の空間」と、二階の「窓が一つもない子供部屋」です。通常の住宅設計において、外気に面していない部屋を居室として設計することは採光や換気の観点から法律上も極めて異例です。さらに子供部屋に入るためには、主寝室を通った上で二重のドアを開けなければならないという、まるで厳重な収容施設のような動線が組まれていました。
加えて、一階の謎の空間の真上にあたる二階部分には、子供部屋のクローゼットが配置されており、上下階を垂直に貫く不自然なデッドスペースが存在していました。単なる設計ミスや施工不良では片付けられないこの構造こそが、この家に隠された凶行の入り口でした。