近年、NHKの歴史ドキュメンタリーや教養番組では、太子の人物像や十七条憲法の再解釈が相次いで特集されている。かつてのような「超人的な聖人」という神話的偶像から脱却し、政治的現実と理想の狭間で苦悩したプラグマティックな指導者としての姿が浮き彫りにされつつある。
教育・出版業界においても、教科書における表記の変遷にとどまらず、ビジネス書やリベラルアーツ関連の書籍でこの格言を「ディスカッションの原理原則」として紹介する事例が急増した。「空気を読んで黙る」ことの弊害が叫ばれるいま、古代のテキストから本質的なコミュニケーション論を抽出しようとする動きは、知的なトレンドとして定着している。