昆虫専門誌のパイオニアであるむし社(月刊むし)のバックナンバーや、NHK for Schoolなどの教育映像アーカイブを見ても、羽化直前の数十時間は完全に「不干渉」を貫くことが強調されている。
蛹の足先や複眼が黒っぽく色づき、背中側の皮がシワシワになってきたら、いよいよ羽化のカウントダウンだ。この最終局面で飼育ケースを動かしたり、フタを乱暴に開閉したりする行為は絶対に避けるべきだ。わずかな振動で蛹が暴れ、蛹室内で不自然に寝返りを打ってしまい、羽化途中で翅を伸ばせなくなる事故が後を絶たない。
羽化が始まると、純白に輝く上翅が露出し、数時間かけて体内から血液(体液)を送り込んでピンと伸ばしていく。完全に翅が収まり、黒褐色の頑強な鎧をまとうまでには約1週間を要する。この間、成虫は一切餌を食べず、体内の余分な水分を排出しながらじっと成熟を待つ。焦って掘り出さず、自力でマットの表面へ這い上がってくる「後食(こうしょく)」の瞬間を静かに待つことこそ、飼育者に求められる最高のリスペクトである。 (出典: カブトムシ さなぎ(Yahoo!ニュース))
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