大都会・新宿区において、治安以上に慎重な確認が求められる盲点が存在します。それが「地形の起伏」と「水害リスク」の相関関係です。
新宿区は一見フラットな大都市に見えますが、実際には武蔵野台地の東端に位置し、台地と低地が複雑に入り組んだ「谷と坂の街」です。区西側から中央部にかけて広がる四谷、市谷、神楽坂の高台エリアは強固な地盤を誇る一方、神田川および妙正寺川が流れる神田川流域(北新宿、高田馬場、落合の一部)は標高が低く、窪地状の地形となっています。
新宿区が公表している浸水ハザードマップを精査すると、想定最大規模の豪雨(総雨量690ミリ)が発生した場合、神田川沿いの低地エリアや地下鉄駅周辺の一部道路で1.0m〜3.0m未満の浸水想定が指定されている箇所が存在します。近年は神田川地下調節池の整備など大規模な治水対策が劇的な効果を発揮しており、かつてのような頻繁な床上浸水は激減しましたが、集中豪雨時における内水氾濫のリスクは完全にゼロではありません。
住居を選ぶ際は、単に「駅から近い」「家賃が安い」という表面的な条件だけでなく、ハザードマップ上の標高差や、マンションの電気室・非常用発電機が地下に設置されていないかといった防災仕様の確認が決定的に重要となります。